いいnitamagoの感想文

自分の最推しvtuberの一人であるクゥ・フラン・ゾーパー(クゥ姉ちゃん)が公開した「いいnitamago」という曲がとても自分にツボだったので感想文を書きます。

音楽のことをほとんど何も知らないので悪しからず。

いいnitamagoは、パンというポップコーンがはねるような音とシャーンという余韻のある音、そして一際大きい、一度だけ登場する鍵盤楽器の音という三種類*1の音で構成された曲です。

何が自分にとってそんなにツボだったのかといえば、この曲が自分の花火大会における心象風景をそのまま言い当ててくれているように思えるのです。

曲中で、パンという音とシャーンという音はほぼ同時に登場します。これは、それぞれ花火の聴覚情報と視覚情報に対応するようにしか思えないのです。

このことを踏まえ、曲の構成と花火大会を重ねつつ追っていきます。

曲の冒頭、パンという音とシャーンという音の組は散発的に一つずつ鳴るのみです。ここではシャーンという音、つまり花火の光の余韻の存在を存分に感じさせてくれます。

そうした花火はやがて二つ三つと同時に鳴るようになり、さらにまだ光が残っている中で新しい花火が打ち上がるようになるなど段々と盛り上がりを見せていきます。こうなるともう音の奔流に身を任せるのみです。ただ、それでもなおところどころに余韻しか残らない部分があるのがこの曲の面白いところでしょう。キラキラと光った空ばかりではなく静寂を、暗闇の中でキラキラと残るあの光をイメージさせてくれるのです。

クライマックスが近づくにつれ、 音量は段々と上がり、最後の鍵盤、尺玉の一際大きな音で一つの区切りを迎えます。その後、名残惜しいのかいくつかの花火を思い出し、噛みしめるようにポツポツと音が鳴ります。

そしてそれも止んでしまった最後の無音の十秒間、帰り支度を始めた頃には、花火そのものへの憧憬はもはやなくなり、後には花火大会という体験からくる深い感動のみが残されているのではないでしょうか。

このように、いいnitamagoは自分にとって一つの花火大会を追体験させてくれるとても面白い、心を動かす曲でした。

*1:実際にはそれぞれの音にもう少し種類はあるけど